和食器と聞いてイメージされるものはどのような器でしょうか。料亭や和食料理店で使用されている薄手で細かい絵柄の入った繊細で高級感溢れる器でしょうか、それとも土そのもののような厚みのある豪快なものでしょうか、普段家庭で使っているお茶碗やお椀でしょうか。和食器のイメージは今挙げただけでも全然違うものが出てきます。

和食器と言っても日本全国様々な作風のものが作られており、見ただけで産地が分かる特徴的なものも多くあります。例えば、岡山県で作られる「備前焼」は釉薬をかけず土を炎で焼締めて、灰や窯の中の藁の跡などを模様にして炎を愉しむ器です。そのため器一つ一つ景色が異なり自分だけの器という愛着が出ます。ゴツゴツと男っぽい力強い器が多く、花器や酒器、大皿などが多く作られます。器に存在感がありながら、お花や食材を引き立ててくれます。石川県の「九谷焼」は色使いが特徴的。「九谷五彩」という赤・青・緑・黄・紫の五色を使い絵付けをされているものが多く、山水や花鳥の絵柄が多く使われます。伝統的な作風のものから色をうまく使った現代的なデザインのものまで様々です。器自体がとても華やかなため、花瓶や飾り皿などが多く作られますが、日常使いの器も作られています。カラフルな色は元気で力強いイメージを与えます。京都の「清水焼」は染付の祥瑞（しょんずい）や交趾（こうち）、金襴手など細かい繊細な技が作風に現れており懐石料理で使用されるような高級な器も多く作られています。佐賀県の「有田焼」は日本で始めて磁器が生産された産地で、今も磁器の器が中心です。「古伊万里」「柿右衛門」「鍋島」と大きく3つの作風に分かれて生産されました。今でも染付の器が多く作られており、素地滑らかな白と染付の呉須のブルーのコントラストが魅力で多くのファンが日本全国から訪れている人気の産地です。

EAST table（旧：テーブルウェア イースト）のある岐阜県東濃地方で主に作られている「美濃焼」は織部や黄瀬戸、志野のような茶の湯から発展した陶器から、磁器の転写やパッド印刷など大量生産にも対応しておりその技術は日本一です。一見手描きと区別がつかないようなものも多く、細かい絵柄のものでも低価格で手に入れることが出来、普段の食卓で誰しも一度は手にしたことのある器が美濃焼ではないでしょうか。それだけ多種多様なものが生産可能なため陶磁器生産量日本一となっています。

日本人は昔から器と料理の両方で季節を愉しんできました。春には桜の柄、夏には青海波、秋には雲錦、冬は雪など器に模様を描き、また器の色でも季節を現し、旬の食材を使った料理を盛り付け季節を感じる。そういった素晴らしい食文化がありました。形も単なる丸や四角だけでなく花型や木瓜型、高台や割山椒など様々。和食器は色や形、厚さ等多様ですが意外と一緒に使っても違和感がないものが多く器使いをその日の気分によって楽しむことが可能です。

お気に入りの器を探しながら一つ一つ揃えていくのもいいものです。ですが難しくてわからない、手っ取り早く食器を揃えたいという時には食器セットがおすすめ。当店では様々な食器セットをご用意しております。小皿・中皿・大皿・小鉢・中鉢・大鉢・どんぶり・お茶碗・お椀・お箸や酒器などを組み合わせて食器のプロがセレクトしておりコーディネートも考えて組み合わせてあります。食器の入れ替えや新生活のスタート、結婚祝いや新築祝い、お誕生日プレゼント、母の日や敬老の日など各種ギフトにもどうぞ。